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ラーメン

2007年10月03日

◆はじめに

『あなたにとってラーメンとは何か?』

こう問われた時、人は多種多様な答えを返すことと思います。
たとえば『ラーメンとは、起承転結を内包する物語である』と。
あるいは『ラーメンとは、ひとつの宇宙である』と。
またある人は『ラーメンとは、すなわち人生そのものである』と。

そのいずれの答えもごく簡潔に、かつ広く深く、ラーメンというものの本質を言い当てていると言えるでしょう。ラーメンという、とどのつまりスープと麺を一緒に食すだけのシンプルな料理に、人は万華鏡を覗くがごとく様々な模様を見出し、そこに深く深く魅せられるのです。

しかしその一方で、本来庶民の気軽な食べ物であるはずのラーメンの敷居が年々高くなっていく傾向は否めません。ラーメンブームが隆盛して久しい昨今、その傾向は日々強まっているように思われます。

今やカレーと並ぶ我が国の国民食となった、ラーメン。
しかし、比較的家庭でもお手軽に料理できるカレーに比べ、インスタント物以外のラーメンを作った経験のある人はほとんどいないのではありませんか?
その一点だけを取っても、ラーメンという料理が実は身近なようでいてひどく遠い、まるで蜃気楼のような存在であると気づかされるのです。

シンプルながらどこまでも奥深いラーメンという料理を、なるべく簡単に家庭で再現できる方法はないか?
そうすることでラーメンという料理がもっと身近なものになり、より広く深く認知され、ひとつの文化として成熟していくきっかけになるのではないか――。

そんな願いをこめてこのコーナーは設立されました。以降このコーナーでは、家庭でも簡単でおいしい手作りラーメンを作れるレシピを紹介していきます。


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上の写真はここで紹介するレシピの完成品。トンコツをベースに魚介のうまみをプラスした、あっさりしつつもコクがあり、なおかつコラーゲンたっぷりで健康にもいいラーメンです。写真から味を想像しつつ、次回をどうぞご期待ください。

それでは、また。

2007年10月15日

◆ラーメンレシピ・準備編①

みなさんこんにちは。今回は家庭で手軽に作れるラーメンレシピ・準備編①をお送りします。さっそくラーメン作りの食材を紹介していきましょう。


○トンコツラーメン・材料(5~10人前)

・とんこつ 
・かつおぶし
・いわしの煮干し
・あじの煮干し
・とびうおの煮干し
・昆布
・干しえび
・干し貝柱
・干ししいたけ
・にんにく
・しょうが
・鷹の爪
・キャベツ
・白菜
・玉ねぎ
・白ねぎ
・じゃがいも
・大根
・塩
・こしょう
・水

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以下、食材についての解説をざっくりと。


・トンコツ

これがなければ始まらない、肝心かなめの食材。お肉屋さんや業務用食材専門店などで手に入ります。できれば冷凍していない、生のトンコツを用意しましょう。
またトンコツと一口に言っても様々な部位があり、骨の部位によって味の性格がかなり変化します。どの骨をどんな配分で使用するかによってラーメンのキャラクターが決まると言って差し支えありませんが、さしあたり今回は豚の骨さえ用意できればどんなものでも構いません。
使用する分量によっても味はかなり変化しますが、とりあえず3㎏ほどあれば十分でしょう。


・かつおぶし いわしの煮干し あじの煮干し とびうおの煮干し

あじの煮干しととびうおの煮干しは、乾物屋さんや業務用食材専門店などで売っています。やや手に入りにくい食材ですので、省いてしまってもOKです。
使用する分量はそれぞれ、軽く片手でつかむ程度…を目安に。特にかつおぶしは香りが強く、あまり多く使ってしまうと味を主張しすぎてしまうので、注意しましょう。


・昆布 干しえび 干し貝柱 干ししいたけ

昆布は様々な形状で売っていることが多いのですが、だいたい20gていどを目安に。細かく切った形状のものなら片手でひとつかみほど。板状のものであれば1枚の半分くらいをだいたいの目安にしましょう。
干しえびと干し貝柱は乾物屋さん、もしくはスーパーの中華料理食材のコーナーなどでも売っています。分量は5本の手指でざっくりつかめる程度を目安に。
干ししいたけは形状問わず、だいたい片手で軽くつかめる程度の分量でOKです。


・にんにく しょうが 鷹の爪

にんにくは1玉の4分の1ほど。しょうがはひと塊ほど。鷹の爪は2~3本ほどが目安です。


・キャベツ 白菜 白ねぎ 玉ねぎ じゃがいも 大根  

キャベツと白菜については、普段の料理では捨ててしまうような芯の部分のほうが、むしろおいしいスープができます。芯を使わないのであれば、葉っぱの部分2枚くらいを目安に。
玉ねぎは甘みが強いので使い過ぎに注意しましょう。半玉ほどあれば十分です。白ねぎは一本を目安に。じゃがいもは1玉が目安、大根はおでん状のスライスが3つほどあれば十分です。


・塩 こしょう 水

塩は、だいたい小さじ一杯分がラーメン一杯分です。塩分の濃さの好みは個人差が大きく出るので、各人で適度に調節しましょう。化学合成でない、天然塩を使うのがベストです。また、成分調整のしてある塩を使うと味がかなり変化するので注意が必要です。
こしょうは、挽いてあるものであれば小さじ半分ほど。挽いてないものであれば小さじ一杯分ほど使ってもOKです。塩こしょうを使うのはできるだけ避けましょう。
水はなるべく天然水で。骨を煮込む際に大量に使うので、ある程度余裕をもって用意しておいた方が無難です。


今回用意する食材は以上ですが、このうち半分ほどの材料を省いてしまっても十分おいしいラーメンが作れます。用意しにくいものは適当に省いてしまって構いません。トンコツ以外なら。


それとトンコツを茹でる鍋ですが、吹きこぼれを防ぐためにもできるだけ大型のものを用意しましょう。小さめの鍋を使用する場合は、食材の量を適度に調整する必要があります。

以上、今回はこのあたりで。次回は食材の下ごしらえについて解説する予定です。
それでは、また。

2007年11月14日

◆ラーメンレシピ・準備編②

みなさんこんにちは。今回は家庭で手軽に作れるラーメンレシピ・準備編②をお送りします。今回のメインは、使用する食材の下ごしらえと分量についてです。


・トンコツ

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言わずと知れたトンコツラーメンの肝心カナメ。今回は背骨の部分を三キロ強、用意しました。これでだいたい十人前分です。
背骨は煮込んでいる途中で細かい骨片にバラけてくれるので、家庭で使用するトンコツとしてとても重宝します。

このトンコツを鍋に入れて、たっぷりと水を注ぎます。
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なお、鍋に刺さっているのは、100円ショップで買った木の棒です。鍋をかき混ぜるのに便利なので、できればこれも用意しましょう。


・タマネギ

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半玉ほど使用します。タマネギは甘みが強いので、入れすぎないように注意しましょう。皮をむいて、根っこと頭の部分は切り落とします。


・ジャガイモ

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ひと玉まるごと使用します。皮はむかなくてOK。スープが完成するころには、あとかたもなく溶けてしまいます。


・ショウガ

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大きさがまちまちの食材ですが、だいたいひと塊ほど使います。味が染み出やすいように四分割ほどに切り分けて。スープの味をかなり左右する食材なので、ショウガの苦手なひとは少なめに。


・ニンニク

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四分の一~半分ほど使用。皮はむいておきます。


・ネギ

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一本まるごと使います。鍋に入れやすいように半分に切って。


・白菜

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今回は葉っぱの部分を一枚だけ使います。鍋に入れやすいよう、適度に切り分けます。


・キャベツ

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今回、普段の料理では捨ててしまう芯の部分を使います。芯の部分だけを切り取って、
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適度に切り分けます。
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・大根

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スープに溶けにくい食材なので、わりと細かく切り分ける必要があります。このくらいの分量を切り取って、
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こんな感じの輪切りに。
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輪切りじゃなくて千切りとかでもOKです。


以上、今回はここまで。次回はラーメンレシピ準備編③、食材と下ごしらえのつづきです。それではまた。

2007年11月21日

◆ラーメンレシピ・準備編③

みなさんこんにちは。今回は家庭で手軽に作れるラーメンレシピ・準備編③をお送りします。

さて、おいしいトンコツラーメンを作るにはまず、骨を下茹でしてアクを取り除かなければいけません。鍋に火をかけ、ぐつぐつと煮込んでいきましょう。

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浮いたアクを取り除きつつ、三十分~一時間ほど茹でます。
おおむねアクが出きったらお湯を捨てます。大量のお湯を捨てる際には危険をともないますので、細心の注意を払うようにしましょう。
お湯を捨てたら、骨をざっと水洗いして、さらにアクを取り除きます。

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これで下茹では完了です。
鍋に骨を戻し、水を満たして、いよいよ本格的に煮込みはじめます。

ここでコショウを香りづけとして投入します。今回使うのは粗挽きの黒コショウ。ラーメン一杯分(およそ500CC)につき、1~2回を目安にふりかけてください。

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次に、前回切り分けた野菜を投入します。

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さらに味の要、塩を投入します。
分量はラーメン一杯分(およそ500CC)につき、小さじに軽く一杯程度。

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だいたいこのくらいを目安に。味見をしつつ量を加減してください。最悪、塩分はあとからでも調整できるので、不安なひとはやや薄味にとどめておきましょう。

あとは鍋に蓋をして、強火でどんどん煮込んでいきます。

だいたい一時間後。

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だいたい二時間後。だんだんスープが白濁してきます。

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だいたい三時間後。できるだけこまめに鍋の中身をかきまぜつつ煮込みましょう。水分が飛んでスープが濃厚になってくると、鍋の底が非常に焦げやすくなってきますので要注意。

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焦がさないよう注意しつつ、どんどん煮込んでいきます。

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およそ八時間後、こんな感じになりました。

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あとはガラを取り、だいたい半日ほど寝かせます。

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これでトンコツスープの仕込みはいったん終了。次回はこのトンコツスープを割るための魚介系スープについて解説します。それではまた。

2007年11月28日

◆ラーメンレシピ・そろそろ大詰め編

みなさんこんにちは。ご紹介してきたラーメンレシピもいよいよ大詰め、今回は魚介系スープの作り方をメインにご紹介していきます。

まずは干しエビと干し貝柱。だいたい写真と同じくらいの量を用意します。どちらも片手で軽くつかむ×2くらいの分量です。

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次に干しエビと干し貝柱を鍋に入れ、2リットルほどの水で満たし、何時間か放置します。(これはダシが出やすくするための処置ですので、時間のない場合は直接ダシを煮出してもOKです)

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干しエビと干し貝柱がほどよくふやけてきたら、次の食材を投入します。まずはイワシの煮干しから。

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軽く片手でつかむ×2くらいの分量です。
次は干ししいたけ。これは軽く水洗いしてから使います。

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これも軽く片手でつかむ×2くらいの分量です。
次に昆布を。これも軽く水洗いします。

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やはり軽く片手でつかむ×2くらいの分量です。
次はアジの煮干し。

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例によって軽く片手でつかむ×2くらいの分量を。
さらにかつおぶしを入れます。

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これもやっぱり軽く片手でつかむ×2くらいの分量。(なお、今回はトビウオの煮干しが手に入らなかったので割愛しています)

以上の材料を投入したのち、30分ほど時間をおいてから火にかけます。
二分ほど煮立てたら火を止め、だしがらを取り除き、そのあとで塩を入れます。2リットルの水を入れていますので、だいたい小さじに四杯ほどです。
スープに塩を溶かしたら、これもしばらく寝かせましょう。およそ半日ほどみておけば間違いありません。

さて、これでほとんどの準備が整いました。次回はいよいよラーメンの完成&試食です。それではまた。

2007年12月03日

◆ラーメンレシピ・仕上げ編

みなさんこんにちは。今回はラーメン作りの最終段階を経て、いよいよ試食に入ります。

さて、最終段階において問題となってくるのは、台所のガスコンロの仕様です。
本来、理想的なコンロの数はみっつ(麺用、トンコツスープ用、魚介スープ用)ですが、どの家にもそれだけの設備が整っているわけではありません。そこで今回は、ひとり暮らしの部屋によく見られる、単発コンロを想定した手順を紹介します。ガスコンロと電子レンジを併用した手順です。

まずは、寝かせておいたトンコツスープを火にかけましょう。
このスープは、冷えてくると凝固してゼリーのようになります。この状態からいきなり強い火にかけると、突沸(文字どおり突然沸騰し、スープが跳ねとぶこと)を起こす危険性があります。弱火でじっくりと温めていきましょう。
ほどよく温まり、ゼリー状のスープが液状になったら火を止めます。

次に、トンコツスープと魚介スープを合わせます。ドンブリを用意し、濾し器(100円ショップで売ってます)でダシガラを取り除きつつブレンドしましょう。塩分はすでに調整してあるので、比率はお好みで。いちおうトンコツスープ:魚介スープ=3:2くらいが目安です。
ブレンドが終わったら、電子レンジにかけて熱々に温めます。

次に麺をゆでます。できるだけ大きな鍋にたっぷり水を張り、十分に沸騰させます。大盛りの麺が好きな人は、この熱湯に少々の塩を加えておきましょう。スープの味が薄まるのをいくぶんか防ぐことができます。
なお麺の種類ですが、平打ちの太麺が比較的よくこのスープに合います。とはいえ基本的には個人の趣味で選んでOKです。

麺がゆであがったらよくお湯を切り、温めておいたスープに加えます。

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さあ、いよいよ完成です。麺とスープのハーモニーを純粋に楽しんでいただくべく、あえて薬味や具は一切いれていません。手塩にかけて育て上げたスープの味を、みなさま存分にご堪能ください。手順さえ間違えなければ、下手なラーメン屋の商品よりずっと美味しい作品に仕上がっているはずです。


……さて、手作りラーメンの味はいかがでしたでしょうか? お手製ラーメン作りという長い旅路もようやく終わり、皆様ほっと一息ついておられることかもしれません。
しかしこのラーメンはあくまでも通過点、深遠なるラーメン道のほんの入口に過ぎません。わずかにのぞいた入口の先には、いまだ見果てぬ芳醇な味覚の地平が広がっていることでしょう。みなさまにその片鱗だけでも感じ取っていただければ幸いです。

それではみなさまごきげんよう。願わくばみなさまの人生に、よきラーメンの加護があらんことを。