アニメばかりがロボットじゃない! というわけで11月4日、都内「ルミネtheよしもと」で「バカロボ2007」なる珍妙なコンテストが行われた。発起人はアートユニット「明和電機」社長の土佐信道。自ら「バカロボ三原則」を提唱、笑えるロボットを募った世界初のロボットコンテストである。
バカロボ三原則
1. バカロボはメカニックであること
(フィギュアのような形だけ=ハリボテではなく、必ずメカニックな仕組みを持っていること)
2. バカロボは役にたたないこと
(社会の役に立つ機能的なロボットではなく、できるだけくだらない目的のためのロボットであること)
3. バカロボは人を笑わせること
(バカロボは、面白い動き、機構、意外なシステムで度肝を抜き、人を笑わせることが目的であること)
最終審査に進んだロボットは8体。いずれも上記三原則を満たし選考されたものばかり。審査にあたったのは、土佐信道(明和電機代表取締役社長)、しりあがり寿(漫画家)、樋口真嗣(映画監督)、稲見昌彦(電気通信大学教授)と特別審査員にしゃべるロボット「パぺじろう」を相方にロボット漫才に挑んでいるぜんじろう(スタンダップ・コメディアン)の5名。
南海キャンディーズの山ちゃんの司会によりまずは審査員入場。白衣姿の審査員は、さっそく明和電機の自社製品(?)のバカ度測定装置こと「バカメーター」を頭に装着。これがすさまじく重くてデカイ! そのうえ前が見えない!? というわけで手には鏡、首の痛みと隣の人との接触事故と闘いながら(笑)の審査に励むことに。
各発表も持ち時間は3分。トップバッターは、ゴミを捨てようとすると逃げ出す!? ゴミ箱型の、なにわ王道アホの継承者ロボ「プッシュくん」。しかしロボットよりも制作者のしゃべりの巧みさに話題集中。さすが大阪。続いて現代に甦ったカラクリ人形チックな筋力鍛錬チャイルドロボ「キントレーZ」ではロボットが身体を鍛えるはずが、えええー! と場内騒然。慶應義塾大学院生の持ちうる技術のすべてが詰まった、うねうね動くうれし恥ずかし(?)エクスタシー生命体ロボ「勃具」では「ほかで発表された作品も見知っていますが、将来を嘱望されている能力がなぜこの方向に(笑)」と稲見教授の嘆きがぽつり。さらには段ボールやビニール袋といった廃材仕様のチープな素材が注目の、ケニア生まれの鋼鉄獣ロボ「イナ☆ザウラー」が文字通りイナバウアーを披露? と前半の発表が終了。
ここで中間講評。
「バカロボの公式サイトはなぜかロシアからのアクセスが多いんですよね。なぜでしょう?」と明和電機土佐社長。ロシアで密かに巨大ロボットを製作しているのかもしれません。ちなみに、観客の声を聞くべく客席に降りた山ちゃんが「やだー! きたー!!」と女性客に避けられる事件も(涙)。次いでロボットつながりということで、しりあがり先生が昨年作ったというアニメ「SMロボ シバラレダイン」(ビデオポッドキャストで無料配信中 http://neom.cocolog-nifty.com/republic/2006/06/sm_b198.html)が上映され、会場は大爆笑。と愉快なひとときを経て、後半戦に突入。
まずは最年少! 制服で登場、健気な女子高生ふたり組制作の、へなちょこロボ「カキールX&JUNKO2007」が全力でものすごくゆる〜い技を披露。あまりのゆるさにかなりシビアなコメントが飛び交い、山ちゃんが一生懸命フォローを入れる、という一幕も(いい人です)。続いてスーパードルフィー+二足歩行ロボットなハイテク萌え系メイドロボ「美影」(メイド姿)が自力で椅子から立ち上がり、白衣姿の制作者と手をつなぎ二足歩行を披露。一見、ちょっとホラー? な声も。しかし技術の高さには評価の声が。
と、ここで「『萌え』だけに、ここはやっぱり樋口監督にコメントいただきましょう」と土佐社長より指名(?)が。そこで開発者当人が「萌え」の説明を始めると間髪入れず「知ってます」と樋口監督。さらに「やっぱりプロとしては厳しい目で見ちゃいますね!」とあれこれ追及(笑)。妊婦さんコーラスロボ「ラマーズ4」では、ラマーズ法「ひーひーふー」の大合唱となぜか制作者自身も一緒に朗々と歌い上げ、客席は唖然……。
そしてトリを飾るのは、なんとあの浪速のお菓子屋さん、UHA味覚糖の自信作。自社商品「ぷっちょ」を社内で勝手にロボット化!? 青い自社作業着に身を包んだ工場長と、このロボ開発のためなんと社内異動を命じられたという部下というおじさま方が登場。リアル四コマ漫画ロボ「ロボプッチョ」が「ぷ、ぷ、ぷ、ぷっちょ」と連呼。今後、CMなどに登場するかは未定とか。
と、そんなこんなで発表は終了。

いよいよ優勝作の発表。果たして賞金50万円は誰の手に!?
「頭がいい、で決めるのはかんたんですが、バカで決めるのは本当に難しかったです」と明和電機社長のコメント。そして優勝作品は、実物大のカラクリロボットが自身を鍛えるべくブートキャンプ風の曲にあわせ運動すればするほど腕が折れ、首がもげ、煙があがり……と壊れていく(?)というパフォーマンスでみごと客席を湧かせた「キントレーZ」に決定!
以下は各審査員の講評。
●稲見昌彦
「この作品では人と機械の決定的な差を浮き彫りにしました。人は鍛えると強くなりますが、ロボットは動かすと壊れる。そこを浮き彫りにしたことが印象的でした」
●しりあがり寿
「ともすれば技術的にはいまひとつかもしれませんが、とにかくアイディアがおもしろかった」
●樋口真嗣
「まず、デカイことがバカ。あわせて流行からちょっとずれている哀しさと可笑しさがありました」
●ぜんじろう
「オチがないことがすごい。なにより会場が受けていたことを買いました」
●土佐信道
「このコントをアニメでやると簡単ですが、実際に動かすとなると大変です。その差みたいなものがバカロボには大切だと考えていて、この作品はそこにマッチしていました」
かくして、日本の未来をになう(?)バカロボカップ2007は幕を閉じたのであった。なお、このバカロボ制作の模様は映画となって「よしもとディレクターズ100」にて公開予定。実際に動くバカロボたちを見にいこう!
|